JUGEMテーマ:アート・デザイン

東京黎明アートルームにはヤクシー像(「欄楯・柱 花房と水瓶を持つヤクシー像」)が常設展示されています。
 
セクシーな女性の神様の下に鬼のような?男性が縁の下の力持ちのようにいて非常にユニークです。
 

 
 
彼女は手に花房を持ち、頭上からは樹木の葉っぱ(複葉;ふくよう)が垂れ下がっています。
 

 
 
植物学的に言うと花は実は葉っぱが変形したもので、もともとは葉っぱなんだそうです。
 
そう考えると…これはほとんど茎(枝)が見えないし、根もないので、葉っぱのみで表現されているといってもいいような感じです。
 
植物全体ではなく、なんで葉っぱだけなんだろう…そう疑問に思ったのは10月の開期からでした。
 
入り口で私たちを迎えてくれる「トラナ横梁 如来と十二人の供養者」も葉っぱや花房がメインだし、1階展示室の入り口には蓮の葉っぱの間にアカンサスの葉っぱを描くという2種類の葉っぱだけがモチーフの壺が展示されており、一切、茎も花も根もありませんでした。
 

その時は疑問に思うだけで終わってそのままになっていたのですが、この前、本を読んでいてハッとしました。
 
先ず、植物と私たちとの関係ですが…
私たち動物は、植物か動物を食べて生きています。食べる動物は肉食動物か草食動物の2つですが、肉食動物は草食動物を食べるので、結局は植物を間接的に食べていることになります。
 

食べ物を食べていかないと生きていけない私たち動物にとって植物が必須なのは明らかですが、その植物はどのように成長しているのでしょうか?植物は太陽からの光エネルギーと水を使って炭水化物を生成(光合成)し、それをエネルギーとして生きています。光と水…どちらも自然からの恵みです。水は植物に限らず私たち動物にとっても必須ですが、光エネルギーを生きるエネルギーに変換できるのは植物だけができる大技です。
 
では、光エネルギーの取り込みはどこでやっているかというと、言うまでもなく葉っぱです。
自然の恵みの恩恵にあずかる私たちにとって、実際に自然と私たちを繋ぐ入り口が葉っぱなのです。

 
植物学者の、「太陽を神秘的なものとして崇める習慣は昔からあるが、葉っぱに対してはあまりないようである。」という言葉を思い出しました。
 
いやいや、彫刻には葉っぱだけがモチーフになっているのは多いぞと。もしかして、昔の人は直感的に、葉っぱが自然と私たちを繋ぐ神秘的なものだと感じとっていたのではないか…。だから葉っぱ単体がモチーフになっている彫刻が複数存在しているのかなと思いました。

 
アカサンスの葉っぱは古代の彫刻によくモチーフとして使われるとのことだったので調べてみました。ある伝説が元になっているようなのですがなぜ伝説に登場するような存在なのかは分かりませんでした(私がちょっと調べた限りでは)。自分としては、今はとりあえず上記の話で勝手に納得しています。
 
ちなみに、タイトルに「複葉」と書きましたが、葉っぱは複葉と単葉(たんよう)の2つに大きく分かれます。特徴としては、主軸の枝から出た茎に複数の葉が付いていて、茎を縦に持った時に、全ての葉っぱが平面に並んでいるようについているのが複葉で、1枚の葉っぱが主軸の茎から交互や向かい合って付いているのが単葉です。複葉は、その複数の葉を1枚とカウントします。
 

複葉と単葉についての説明はこちらを参照してください↓

https://kotobank.jp/word/%E8%A4%87%E8%91%89-124164
http://www.asahi-net.or.jp/~zh7k-knk/study/leaf/fukuyou.html
 
樹木の少ない都心に住む私にとってはほとんどが単葉で、梅や桜、いちょうやモミジ…などがそうです。複葉の高木はというと…トチノキとかですが、私にはあまり身近ではありません。低木なら今の時期、ナンテンとかですかね。
 
しかし最近、複葉の樹木が立ち並ぶ場所へ行く機会があって、複葉っていいなぁ〜と思っています。風が吹いた時の葉のなびき方が美しい。羽状複葉というのは風が吹くと鳥が羽ばたく時の羽の動きのようなしなやかさを感じさせてくれます。

 
↓公園でスケッチように複葉を拾い集めたもの…1人で枝を拾う姿は異様だと思う…視線がすごく厳しい…汗

 
 
 
一方で、複葉は葉っぱが付いている枝ごと(複葉の根元から)落ちるのに対して(そうでないパターンもありますが)、単葉は、1枚1枚が、ハラリハラリと落ちます。東京黎明アートルームにある‘つくばい’に脇のモミジの葉がそのように落ち、水に浮かんでいる姿に美しさを感じるのは、こちらは単葉だからこそなせる技ではないか思います。
また、先月もいらっしゃって下さった方には、俵屋宗達の「小倉山観楓図」の、モミジの流れるように散る美しい様が鮮明に残っているのではないでしょうか?西行を癒すあのモミジの表現も単葉だからこそですね!


葉っぱの形や付き方の個性から生まれるそういう違いも感じて楽しんでいきたいなと思う今日この頃。
今回取り上げた作品以外にも葉っぱが描かれている作品は複数あります。是非とも、葉っぱを堪能していただきたいです♪♪

*写真は特別な許可を得て掲載しています。東京黎明アートルームでの写真撮影は固く禁止されていますのでご注意ください。

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